2021-01-01から1年間の記事一覧

中之島香雪美術館 企画展「中国の漆器」

なんだかくたびれて、休みの日に起きられない。耳鳴りとめまいがするよ。年だね。 ちょっとキラキラピカピカするものを見たら元気が出るかもしれない。肥後橋の中之島香雪美術館へ、「中国の漆器」企画展を訪ねる。 最初に「彫漆(ちょうしつ)」という漆器…

大和文華館 特別企画展「雪村とその時代」

ずっと以前に呂同賓図(りょどうひんず)と思われるポスターを見かけたことがある。その時私はよく確かめもせず劇画か漫画の一場面かと思ってしまった。衣を大きくはためかせ、のけぞるぐらいに天を仰ぐ男の姿。奇怪な絵だと思った。しかし、記憶に引っかか…

「加彩婦女俑」と「婦女形水注」

東洋陶磁美術館のコレクション展関連テーマ展示「加彩婦女俑に魅せられて」関連イベントとして動画が公開されている。動画を視聴すると、このたびの企画によって制作された作品と元の作品とを、もう一度比べて、確かめてみたくなる。 加彩婦女俑 唐時代 8世…

「加彩婦女俑に魅せられて」関連イベント 第1回

東洋陶磁美術館の「加彩婦女俑に魅せられて」の関連イベント1回目が動画公開された。:オープニングレクチャー「加彩婦女俑の美」小林仁(大阪市立東洋陶磁美術館学芸課長代理)、アーティストトーク 若宮 隆志(彦十蒔絵プロデューサー)、対談 若宮 隆志×…

大和文華館 特別展「天之美禄 酒の美術」

「加彩婦女俑に魅せられて」関連イベント の1回目の動画が公開された。小林仁先生のレクチャーも、彦十蒔絵プロデューサー若宮 隆志さんの見立作品制作をめぐるお話も、お二人の対談も非常に面白く、深い。繰り返して拝見できることもとてもありがたい。視…

東洋陶磁美術館 「加彩婦女俑に魅せられて」

東洋陶磁美術館で「コレクション展関連テーマ展示『加彩婦女俑に魅せられて』」という試みが始まっている。 唐時代の婦女俑がテーマか…私にとってはアイドル、中国陶磁の展示室を訪れる度に挨拶をしているよ。いつも展示台の上でゆったりと回っていて、その…

湯木美術館秋季展「炎が生み出す茶陶の美」

湯木美術館で秋の展覧会が始まっている。焼締め陶、釉薬をかけずに高温で焼成するやきものがテーマだ。火と土が偶然に産み出す美をじっくり味わえる。 大地や自然をイメージさせるやきものだ。懐かしさも覚える。花入れに可憐な野の花を挿したら、素敵だろう…

東洋陶磁美術館 企画展「福井夫妻コレクション 古九谷」つづき3

さて、最初に感動を記した樹木文の作品以外の「青手」はどんなかな。 色絵 芭蕉文 大皿 色絵 蔦葉文 大皿 大胆で自由な柄、全体を覆う濃く鮮やかな緑と少し赤みがある黄色、空間を埋め尽くす文様、……和食器というより美術品という感じ。 しかし、大皿を大名…

東洋陶磁美術館 企画展「福井夫妻コレクション 古九谷」つづき2

次の4点もさまざまなおもむきがある。 釉がけをしていない窓の中に絵付けをした青磁の作品や、濃い緑色の波の中に青い菊の花が浮かぶ独特のデザインのお皿。 青磁色絵 人物文 皿 色絵 流水菊文 皿 ゴージャスな唐草模様がとても印象的な作品。これは1点だ…

東洋陶磁美術館 企画展「福井夫妻コレクション 古九谷」つづき

東洋陶磁美術館で開かれている企画展「福井夫妻コレクション 古九谷」有名な青手(あおで)のほかにも、さまざまな表情の器が見られたので、詳しく記録していきたい。 まず、比較的小さめ(直径16センチ未満ぐらい)のお皿が並んでいる。そのうちの2枚が茶…

東洋陶磁美術館 2つの企画展開催

東洋陶磁美術館を訪ねた。2種の企画展、「受贈記念 柳原睦夫 花喰ノ器」、「福井夫妻コレクション 古九谷」が始まっている。 柳原睦夫作品に華道家杉田一弥が花を活けた大画面の写真作品も展示されていて、会場は華やいだ雰囲気だ。 年間パスポートを求めた…

大阪市立美術館「揚州八怪」展2

「揚州八怪」後期展示 心に引っかかった鄭燮の書画をまた見たい。前回図録を求めたので、多少理解を深めてから出かける。 この図録は八怪たちそれぞれのミニ伝記も掲載されていて興味が増す。鄭燮のそれには、”難得糊塗”と書かれた扁額と、自分の書画の価格…

湯木美術館「茶道具の由緒・伝来と箱書」

だんだん楽しめるようになってきたお茶道具。今日は湯木美術館「茶道具の由緒・伝来と箱書」このテーマは私にはむずかしそうだ。お茶道具を包んでいる箱や箱書き、仕覆や添え状やら、まだまだそこまで視野をひろげられない。テーマは、あまりわからなくても…

大阪市立美術館特別展「揚州八怪」

大阪市立美術館にやっと来ることができた。春の展覧会は通り過ぎてしまったな。 さて、「揚州八怪」って何??美術館の案内を読んでも、いまひとつわかっていないが、清時代の傑出した芸術家たちの作品を見に出かける。 会場を見渡すと、絵画だけでなく、書…

湯木美術館「わび茶の継承と普及」展

先日の香雪美術館から、お茶続きの気分で、湯木美術館の「わび茶の継承と普及」展を訪ねた。 サブタイトルに「利休のわび茶を深化させた千宗旦と茶の湯を通じて交わった人々」とあって、千宗旦と関係のあった茶人ゆかりの花入れ、茶碗、茶杓、釜、掛け軸など…

中之島香雪美術館「遠州・不昧と大名家の茶」

中之島香雪美術館で開催された「遠州・不昧と大名家の茶」展を訪ねた。 茶碗、花入れ、掛け軸、茶入、茶杓、香合……お茶の道具はいろいろ種類があって面白い。が、そのひとつひとつについての見どころ(見方の決まり?)もいろいろあって、これはちょっと難し…

東洋陶磁美術館画像オープンデータでトートバッグ

連休中に「カメラのキタムラ」にお願いしていたトートバッグが届いた。東洋陶磁美術館の画像オープンデータの写真をプリントしてもらったものだ。 「大阪市立東洋陶磁美術館収蔵品画像オープンデータ」は東洋陶磁美術館の名品画像のいくつかを利用規約に則っ…

図録「小森忍の陶磁器Ⅲ」~江別市セラミックアートセンター

北海道江別市にあるセラミックアートセンターという美術館から、「小森忍の陶磁器Ⅲ」という展覧会図録を送っていただいた。 数年後に北海道の実家に戻るつもりだが、大阪近隣の美術館に行けなくなる、これは私にとってはいちばん辛いことだ。実家といっても…

東洋陶磁美術館「柿右衛門~Yumeuzurasセレクション」

東洋陶磁美術館の「柿右衛門~Yumeuzurasセレクション」が後期展示になったので、訪ねた。前期の展示がとても素敵だったので、期待値上昇。期待を裏切らない、本当に上品でキュートな作品ばかりだった。 後期の展示では、薔薇文様の皿と青磁の柿右衛門を是非…

「中国青花と染付磁器-京都の鹿背山焼」~大和文華館

先週、花散らしの雨の中 大和文華館の「中国青花と染付磁器-京都の鹿背山焼」展を訪ねる。 出迎えてくれた「吹墨手鹿桜紅葉文鉢」(江戸時代 鹿背山)幻想的で霧がかかったような空間の中に鹿の姿、桜の花、紅葉が浮かび上がるメルヘンのような図柄。そして…

大阪市立美術館コレクション展「宮人たちへの鎮魂歌-隋の石刻」

大阪市立美術館のコレクション展を再び訪ねた。前回は途中で力尽きてしまった。金属工芸「ニッポンのかがやき」、「花咲くやきもの」の作品との再会を楽しみながら「宮人たちへの鎮魂歌-隋の石刻」にたどり着いた。 主に隋の煬帝の宮廷につかえた女性たちの…

大阪市立東洋陶磁美術館 第13回 李秉昌博士記念公開講座 「耀州窯青磁と高麗」

1年前に中止になり、楽しみに待っていた第13回イ・ビョンチャン博士記念公開講座(東洋陶磁美術館主催)がオンラインで開催された。 最初は謝明良先生の「北宋『営造方式』と高麗青瓷および耀州窯青瓷」 毬文(まりもん)、亀背文(きはいもん)、龍牙蕙…

大阪市立美術館コレクション展「花咲くやきものREVIVAL!」

さて、コレクション展、次は「花咲くやきもの」 前日のオンライン講座の中では、中国:多産や子孫繁栄、富貴、あるいは高い人格、仏の教えの象徴として花柄が使われていることが多い、対して日本:花の図柄で季節・自然を表現しているという内容があったと思…

大阪市立美術館 コレクション展「ニッポンのかがやき 本朝金属工芸史」

4,5年したら、母親のもとに引っ越すことにした。北海道へ帰る。そうなったら、地下鉄に乗って気軽に東洋美術を鑑賞、とはいかない。大阪にいるうちに、近隣の美術館を訪ねておきたい。 最近はオンラインでの講演会や講座が増えていて、これはうれしい傾向…

文字や書にも触れてみよう「すぐわかる中国の書」古代~清時代の名筆

書店でたまたま手に取った「書」の本を楽しんでいる。「すぐわかる中国の書 古代~清時代の名筆 可成屋編」東京美術 最初のページにある「文字を読むべからず」、素人に読めなくて当然であり、それよりも「いいなあ」を感じた瞬間を深めていくことが大事であ…

大阪市立美術館コレクション展「磁州窯の陶枕」

大阪市立美術館へ「磁州窯の陶枕」というテーマのコレクション展を見に行った。 大きいな。如意頭形の陶枕を前にして思った。(白地掻落牡丹文如意頭形枕 北宋時代11-12世紀)これは実際に頭をおいて使っていたものだそうだ。水害で土砂の中に埋没し、当時の…