4,5年したら、母親のもとに引っ越すことにした。北海道へ帰る。
そうなったら、地下鉄に乗って気軽に東洋美術を鑑賞、とはいかない。大阪にいるうちに、近隣の美術館を訪ねておきたい。
最近はオンラインでの講演会や講座が増えていて、これはうれしい傾向だ。将来は特別入館料を払って、オンラインで美術館ツアーなんてあったらいいな。
本物を見ることには替えられないが、美術品に会えない飢える気持ちには有効だ。これはコロナ禍で身に沁みた。
さて、大阪市立美術館のコレクション展を訪ねる。前日に学芸員の方のオンライン講座を拝聴し(OSAKA MUSEUMS 学芸員TALK&THINK)、興味が湧いた。
日展のチケットを買って入ったけど、コレクション展「ニッポンのかがやき 本朝金属工芸史」をみるだけでお腹いっぱいかも。
銅鐸、鏡、茶の湯の釜、刀剣の鐔、そして密教用具や仏を荘厳するもの、秘宝ともいうべき国宝もあって、これだけで特別展ができそう。
和鏡のシリーズ:中国の鏡をお手本としていた鏡の絵柄がものの見事に日本的と感じられるデザインに変化していることがわかる展示。
青銅 萩薄扇面双雀文鏡 南北朝時代 14世紀:秋の風景や直線的な扇の線による画面構成が印象に残った。神獣や吉祥文様が埋め尽くすといったイメージじゃないね。
黒褐色の銅の湯瓶(とうびょう 鎌倉時代)はとてもスマートで把手や注ぎ口に凝った装飾が施してある。きっと高い生産技術があったのだろうなぁ。
茶の湯のお釜:鉄さびの色がきれいな尾垂釜(おだれがま スカートをはいたような形)、狸が化けたようにぷっくりとまるい釜、なすび形の釜とか、見ていてじんわりと楽しい。
次のお部屋は、主に神仏に関係するものの展示だ。
金銅 三昧耶形五鈷鈴(さまやぎょうごこれい 平安時代 高貴寺)とても見事なものだ。法具というのだろうなぁ。ただ悲しいかな、あまりに無知で解説を読んでも謎だった。羯磨って何?
まあ、こうやってお茶道具を見ればお茶の言葉に、仏具を見れば仏教美術の言葉に少しずつ触れられるのもよい。
ゴージャス、華やかでかつ神聖な雰囲気が漂っているなかで、とりわけ、金銀鍍透彫宝相華文華籠(2枚 平安時代末期、鎌倉~南北朝時代 神照寺)や、白銅菊唐草双鶴文鏡(菊唐草蒔絵螺鈿手箱内容品 国宝 熊野速玉大社)は息をのむ美しさ!
銅 錫杖頭(鎌倉時代 長谷寺)というのも、かっこよかった。握るところではないだろうけれど、握ってみたい、さわってみたい形。
まだ2会場、コレクション展の楽しみが残っている。漢字を探すのに疲れたな。今日はここまで