湯木美術館「茶道具の由緒・伝来と箱書」

だんだん楽しめるようになってきたお茶道具。
今日は湯木美術館「茶道具の由緒・伝来と箱書」
このテーマは私にはむずかしそうだ。お茶道具を包んでいる箱や箱書き、仕覆や添え状やら、まだまだそこまで視野をひろげられない。
テーマは、あまりわからなくても、とにかく色々見に行こう。

 

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都会の真ん中、休日のビジネス街で、突然別世界に入ることができるのは、この美術館ならではの体験。

 

お出迎えは、格調ある古銅の花入 (唐物古銅桔梗口花入 明時代)
そして、堂々とした大井戸茶碗 銘「対馬」朝鮮王朝時代
気持ちになじむ自然の色だなぁ (枇杷色というのだそうだ)。

 

井戸茶碗って、普通に言うきれいという感じはしない。
「茶道」のお茶碗を拝見するたびに思うが、肌の縮みとかシミを見どころとするのは独特の感覚だと思う。
自分としては、砂漠や荒れ地の写真を見て美しいと思うように、茶碗の景色を眺めている。

 

次のケースには丹波焼茶入 銘「生野」がいくつもの箱や蓋とともに展示されている。
誰から誰の手にどのように渡ったのか、ひとつの茶入にまつわる何人もの人の思いが、時を経ても伝わってくる。
すっくと立ち上がった姿、明るい褐色の滑らかな地の中に釉が黒く絶妙な現れ方をしている。

 

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向かい側のケースに目を移すと、黄瀬戸の建水(銘「大脇差」 室町時代)の良い色合いに引き付けられる。
ふたすじの釉の流れがチャームポイント。全体は黄褐色でけっこう暗く感じるが、これも黄瀬戸っていうんだねぇ。

 

「黄瀬戸」といえばこのたびは重要文化財の鉢を鑑賞できた。
黄瀬戸福字鉢 室町時代 中心に福の字、縁などに彫り模様?が見える少し大ぶりの鉢。濃い緑が差し色になって、色調がきれいだ。

 

使いやすそうな赤楽茶碗もあった。
赤茶碗 如心斎宗左 槌の絵 左入作 江戸時代
真っ赤ではなく少しマイルドな赤い地に白泥であっさりと小槌の絵が描いてあっておしゃれ。比較的うすづくりで持ちやすそう。

 

テーマにかかわる展示はやはり自分にはハードルが高かったな。
しかし、先に記したもののほかに、仁清窯の香合や、形の面白い黒楽茶碗、乾山窯の絵付けが楽しい蓋茶碗などのやきものをじっくり見られてよかった。

 

やきもの以外のお茶道具については、ぼちぼちといきましょうかね