2022-01-01から1年間の記事一覧
どうも絵画を見ても、やきものを見るときほどわくわくできない。特に山水画は惹かれながらも楽しめない。わくわくしなくてもよいが、もう少し、自分の心に、静かに水墨山水を味わうような気持ちを育てたいものだ。 年末は勉強のつもりで、大和文華館特別企画…
後期展示に京都国立博物館蔵の建盞が出展されると知って、結局というかやっぱり、また「京に生きる文化~茶の湯」展に足を運んだ。これぞ禾目天目という作品にお会いしなくては。 建盞(南宋時代 12-13世紀) 黒地にたくさんの禾目が流れて見える。引き締ま…
私は作品鑑賞にひどく時間がかかる。大きな展覧会で行列になって歩くと後ろの人に迷惑だ。しかも集中力がすぐ切れるから、丁寧に見て回ると、途中で気力が尽きる。 京都国立博物館で開かれている特別展「京(みやこ)に生きる文化~茶の湯」では作品リストを…
お天気が良い。ちょっと遠出して、青銅器を見に行こう。これも見納め。 奈良国立博物館のあたりは、いつも賑やかだ。ぼうっとして歩いていると、ヒトかシカにぶつかるか、シカの落とし物を踏んづける。近鉄奈良駅からの一本道を歩くのは勇気が要る。正倉院展…
休館中の東洋陶磁美術館が「日中国交正常化50周年記念講演会 大阪市立東洋陶磁美術館と中国文物展」をYouTubeで配信している。 その中で小林仁先生が「皇帝の磁器~新発見の景徳鎮官窯」という展覧会の図録について、やきものを学ぶ人の教科書だというよう…
美術館が用意した期間限定シャトルバスに乗せてもらって、3年ぶりに和泉市久保惣記念美術館を訪ねた。前回も「玉」をテーマにした展覧会だったな、広い敷地建物と見事なお庭、古代中国の石造棺床の展示に驚いた思いがある。このたびは、日本の勾玉も見られ…
8月のお盆休みに、東洋陶磁美術館のオープンデータの画像を使わせてもらって、加彩婦女俑がプリントされたトートバッグをカメラのキタムラさんにお願いした。画像をアップするときは、tiffをjpegに変換するにはどうする、とか考えつつ、もうあの作品には会…
大和文華館のやきものと漆の作品が100点近く鑑賞できる「東アジアの動物」展 つづき 吉祥の動物①魚「白地黒花鯰文枕」(北宋~金時代 磁州窯)磁州窯の陶枕というのは、色んな図柄があるものだ。如意頭形の器面に鯰が飄々と泳いでいる。世の中をこんな風…
いっこも身につかないが、中国の歴史を文庫本で楽しんでいる。今朝読んでいた一節に元祐元年(1086年)に王安石が没したとあった。「元祐」ってあの磁州窯の盤(東洋陶磁美術館所蔵)に記されていた年号かなぁ。それが何だという話だけれど、自分的には数ミ…
中之島香雪美術館の特別展「陶技始末河井寛次郎の陶芸」を訪ねた。来場者が多い。 Ⅰ章の1節「中国陶磁への憧憬」では、中国の古陶磁研究から生まれたさまざまな窯様の作品が並び、面白かった。鈞窯風、龍泉窯風、磁州窯風、何でもできてしまうんだ! 古陶磁…
大和文華館のお庭はいつ行ってもその時期の趣が楽しめる。若くやわらかな緑と鶯の声?に、山里に来たように錯覚する。 「朝鮮美術の精華~絵画と工芸」この展覧会は絵画のほうがメインの展示かなと思う。絵画より工芸品の方が好きなので、どうしようかと思っ…
金工ってどんなかな、とりあえず春季展行っておかなきゃ、と、軽い気持ちで湯木美術館を訪ねた。 作品から風格を感じるとはどういうことだろう。ケースの中で格調高く見えるように展示され、キャプションがあるから、素人にはなるほどそのように見える。そう…
年度末業務の泥沼にはまって、おぼれるところだった。 大阪市立美術館で「華風到来」展を楽しむ。お出迎えは「堆朱 牡丹文盆」明時代 15世紀 ややこってりめの華やかなデザインと、超絶技巧 中国文物のイメージにぴったりの作品だ。 古代から清時代までの中…
春分の日、湯木美術館へ行った。春季展「慶賀と喜びの茶道具~春の風情を楽しむ」の最終日だった。間に合ってよかった。いつ訪ねても、こちらの来館客はすごく真剣に鑑賞する方ばかりだな。私も集中して拝見しよう。 ちょっとだけお茶道具に慣れてきただろう…
イビョンチャン博士記念の講演会が3月5日、オンラインで開催された(第14回 李秉昌博士記念公開講座「高麗陶磁と磁州窯系陶磁」)。拝聴しながら、今まで出会った磁州窯系の作品を懐かしい人を思うように思い浮かべていた。 緑釉黒花牡丹文瓶(重要文化財…
年末から突発的にめまいが起こる。MOCO(東洋陶磁美術館)が長期休館にはいった。何かと気が滅入る…低空飛行だ。 大和文華館にもう一度行くつもりだったが、めまいのせいで行けなかった。もう次の展覧会が始まって梅も咲き始めているよ。心の栄養をもらいに…
82点の作品によって、日本のやきものの歴史を大掴みに理解することができて、私にはありがたい展覧会だ。日本のやきものの「始まり」といわれる縄文土器から超絶技巧の大正時代の作品まで、会場を一回りするだけで一気に堪能できる。 「始まり」といっても決…
東洋陶磁美術館がしばらく休館になる。大事な場所に行けないのはちょっとつらい。 特別な展覧会がなくても、定期的に足を運んできた。好きなやきものを静かに眺めると気持ちが落ち着く。器の肌をじっと眺めて、そこに広がる世界に自分が埋没してゆく感覚が好…