大和文華館 特別企画展「日本のやきもの―縄文土器から近代京焼まで」

82点の作品によって、日本のやきものの歴史を大掴みに理解することができて、私にはありがたい展覧会だ。
日本のやきものの「始まり」といわれる縄文土器から超絶技巧の大正時代の作品まで、会場を一回りするだけで一気に堪能できる。

 

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「始まり」といっても決してレベルが低いわけではない。最高の芸術ではないかしら。
一番目の展示作品である高さ76センチの「縄文大壺」の迫力にまず驚かされた。野生の生き物のような力強さと神秘を感じさせる。縄文土器ってすごーい。
縄文時代土偶も魅力的だなぁ。

縄文土器土偶→弥生の壺→土師器→須恵器…うん覚えたかな。
伝猿投山窯の山茶碗というのも珍しいものだねぇ。

 

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鎌倉・室町時代に進むと、六古窯のうち常滑丹波、越前、信楽の大型の壺が揃っていて、見事。
胴部がぱんと張りきっていて、その肌を自然釉が豪快に流れている。豊かで堂々としていて、思わず抱えてみたくなる。
その間に置かれた、少し小さめの伊賀の灰釉壺は、アイボリーの素地に山並みと太陽や雲の風景がみえるようで、風情のある作品だ。
金の覆輪がついている瀬戸窯の白天目茶碗さん(室町時代)は、形も肌も上品だなぁ。現代までに、どんなふうに伝わってきたのかと思う。

 

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桃山時代では美濃窯の志野や織部の様々なデザインの器が紹介されている。
面白くもあり、懐かしくもあり。古くから親しんできた器のようにも思える。

茶陶の展示の最期におかれた高取焼の流釉(ながれゆう)水指(江戸時代前期)という作品は薄づくりで、釉の変化がとても美しい作品だ。

さて、ここまでで、ちょうど会場の半分。半分でも十分満足してしまう。
体調を考えて無理は禁物だから今日はここまで。

もう一度訪ねられたら、つづきを書くことにしよう。
庭園の梅が咲き初めるのを見られるかもしれないなぁ。

 

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