2018-01-01から1年間の記事一覧

企画展「オブジェクト・ポートレイト」

先日はうれしさのあまり、月白釉の碗の事ばかり書いた。 今日は東洋陶磁美術館の企画展「オブジェクト・ポートレイト」について書き記しておこう。 青磁陰刻 草花文 多嘴壺 器形が作り出す稜線というか、シルエットのみで写真表現になっている。 エリック・…

月白釉の碗

なんとか引っ越しした。が、長年の苦しい問題(空き家!)が突き付けられ、精神不安、気持ちの悪い疲労感に襲われているうちに、師走になってしまった。 脆弱な自分が問題に対処できるのか甚だ心もとない。 陶磁器を眺めることは私にとってもっともよく効く…

連続講座を受講する(第2回)

急な事情で引っ越した。 引っ越しの前日、荷造りをほったらかして連続講座の2回目を拝聴するために東洋陶磁美術館へ走った。 「中国出土の高麗青磁(仮題)」小林仁先生 遅刻して失礼してしまい、当日の本題名は聞き逃してしまった。 お話を聞き始めると、…

連続講座を受講する

20日(土)は東洋陶磁美術館の特別展連続講座を受講した。 「高麗青磁展への誘い」~講師は鄭銀珍先生(東洋陶磁美術館学芸員) 今開かれている高麗青磁展を開催するまでに韓国、日本で開かれた展覧会について、九龍の浄瓶にまつわるエピソードについて、あ…

アフタヌーンレクチャーで学ぶ

日曜日に東洋陶磁美術館のアフタヌーンレクチャーを拝聴した。 9月末に韓国で開かれた「Lee&Won国際招請講演会10周年記念討論会」の発表の内容を小林先生(小林仁学芸課長代理)が時期をおかずにお話してくださった。 研究成果や新しい話題に、一般人が労せ…

大和文華館を訪ねて

久しぶりに、近鉄奈良線の電車に乗った。 3館(東洋陶磁美術館・大和文華館・寧楽美術館)が特別連携している展覧会のひとつ、大和文華館の「高麗ー金属工芸の輝きと信仰」を見に行く。 庭園の中にある美術館だ。 受付がある門のところから、お庭の中を少し…

越窯の水注

陶磁器を日をおいて鑑賞すると、見るたび見るたびに違った美しさを感じることがよくある。 「高麗青磁ーヒスイのきらめき」特別展をまた訪れて、ヒスイの釉色によりいっそううっとりとなる。 だが、今日は中国陶磁の部屋に展示されている水注にもぐっときた…

「高麗青磁ーヒスイのきらめき」特別展~その5

後回しにしていた東洋陶磁美術館高麗青磁展の第1会場 実は最初に足を踏み入れた時に、ちょっと戸惑った。 てっきりポスターを飾る九龍の浄瓶とか、きらきらの輪花形碗などが第1会場に展示されているのかなと思い込んでいたからだ。 第1会場では「序 近代…

「高麗青磁ーヒスイのきらめき」特別展~その4

第4会場「祈りの場を荘厳する」では羅漢様が迎えてくれる。 高麗で国教となり盛んになった仏教や、道教などの儀式・祈りの場でもちいられた鶴首瓶、浄瓶、香炉などが展示されている。 芳香が漂ってくるような、心落ち着く空間だ。 青磁羅漢像 高麗時代12ー…

「高麗青磁ーヒスイのきらめき」特別展~その3

さて、東洋陶磁美術館、「高麗青磁ーヒスイのきらめき」展の第3会場 ここは「麗しのうつわー高麗の生活と青磁」がテーマになって、高麗時代に花開いた貴族文化のなかで発展したさまざまな種類のやきものが展示されている。 水滴、枕、化粧箱、盒、油壺、梅瓶…

「高麗青磁ーヒスイのきらめき」特別展~その2

あれほど揃った高麗青磁の数々を、あの美術館の環境で鑑賞できるなんて最高! 私自身がこのような機会にまた再び恵まれるとは到底思えない。 悔いが残らないように、飽きるほど見ておきたい。 平日に夏休みをとって、自分のペースで時間をかけて鑑賞する。 …

「高麗青磁ーヒスイのきらめき」特別展開催!

昨日9月1日から始まった高麗青磁展を見に出かけた。 東洋陶磁美術館は今や高麗青磁の宝物庫になっている。 翡翠のごとき青緑色のやきものが圧倒的な数量で飾られている。 青磁陽刻菊花文輪花形碗 青磁洗 高麗時代 12世紀(左) 12世紀前半(右) 青磁…

歴史の本を読む~「魏晋南北朝」

「シルクロードと唐帝国」という本をとりあえず読み終えて、次は同じく講談社学術文庫の「魏晋南北朝」(川勝 義雄著)という本を読み始めた。またもや身の程知らずの無謀な読書だ。 読んでいるのか、眺めているのか、相変わらず理解できない、頭に入らない…

待ち遠しい~高麗青磁の展覧会

9月1日から開催される東洋陶磁美術館の特別展「高麗青磁ーヒスイのきらめき」を前にして、現在展示中の館蔵品をゆっくり見ておこうと足を運んだ。 いつも何気なく展示してあるようだけれど、いずれも宝物のようなものばかり。 当たり前のように並びすぎて…

夏休みの宿題

引き続き「シルクロードと唐帝国」(森安孝夫著 講談社学術文庫)を少し読んでは読み返し、行きつ戻りつしながら楽しんでいる。 楽しんではいるのだが、中国の歴史と地名がわかっていたらもっと深く理解できるのではないかと歯がゆく思う。 少し前に、俑につ…

ソグド人の泥俑にひかれて

地震があり、大雨が続いた。恐ろしいことが立て続けに現実に起こった。 おびえて萎縮していたが、ささやかでも自分ができることをしていこうと思う。 「シルクロードと唐帝国」(森安 孝夫著 講談社学術文庫)という文庫本を手にした。 唐代胡人俑展のときに…

図録「宋磁ー神秘のやきもの」2

出光美術館の展覧会図録「宋磁ー神秘のやきもの」を、東洋陶磁美術館の館蔵品やイセコレクション展の作品と重ね合わせながら楽しんでいる。 宋磁とは何とも素晴らしいやきものだ。 見るたび、見るたびに表情を変える釉の不思議さ すっきりとした形 釉の下で…

図録「宋磁ー神秘のやきもの」(出光美術館発行)

NHKテレビ日曜美術館アートシーンで出光美術館の「宋磁ー神秘のやきもの」展の紹介があった。 行きたいなぁ。でもそんな余裕はありませんね。 仕方がないので図録を見ることで我慢することにした。 一週間ほどで届いた出光美術館の図録と昨年東洋陶磁美術館…

バラとセーヴル展

中之島公園のバラはもう終っただろうか。 バラと東洋陶磁美術館のセーヴル展を見に出かけた。 贅と技を尽くした宮廷の磁器にほうっとため息をつく。 最後の展示室(現代のセーヴル)で、別な意味ではっとする作品に出会った。 花器「Sakura」と「ゴールデン…

「俑」について

東洋陶磁美術館で3月まで開催されていた唐代胡人俑展では、忘れられないほどの強い印象を受けた。 もっと「俑」というものに触れてみたいという思いがあって、俑についての書物を少しずつ読み進めている。 専門書なので、私が読むというのもおこがましいよ…

日本工芸館を訪ねる

今年は別れの春だった。 自分自身の最期のことも随分考えさせられた。 心身ともにすっかり固まってしまった私だったが、東洋陶磁美術館の胡人俑たちには、その後も2度ほど会いに行った。 何度通ってみても、そのたびそのたびに違う魅力をみせてくれる胡人俑…

とりあえず、毎日を暮らす

しばらく大阪から離れていた。 九つも年若い身内が一人、病で逝った。 辛い時間に私たちを支えてくれた方々に感謝。 北海道の雪に埋もれた町から、にぎやかな大阪に戻ってきた。 行きも帰りも、空港や駅は外国人観光客で混雑していた。 旅する楽しさに満ちた…

唐代胡人俑展~出合いを忘れないように

東洋陶磁美術館の唐代胡人俑展が始まって、1か月少し。 美術館に足を運び、講座を拝聴し、図録を読み、寝る前に自分の撮った写真をスライドショーにして眺めて展示空間を思い出し、幸せな時間を満喫している。 素人の私でも、心から楽しんでいる。ありがとう…

東洋陶磁美術館 特集展「中国陶俑の魅力」について

美術館に行くときはうきうきする。作品とデートだからね。 このたびの唐代胡人俑展では、俑たちに勝手なあだ名をつけて、ひそかな会話を楽しんでいる。 また来たよ。 加彩胡人俑 さて、今日は東洋陶磁美術館で唐代胡人俑展と同時に開かれている特集展「中国…

唐代胡人俑展~見れば見るほど素晴らしい

年末年始は久しぶりに宮城谷昌光先生の小説を読みふけった。 読み始めるといきなり、はるか遠い昔、古代中国の世界にほうりこまれる。あの感じは、唐代の俑たちに出会ったときの感覚に似ている。 1300年も前に作られたという俑たちの前に立ってみると、比べ…