先日はうれしさのあまり、月白釉の碗の事ばかり書いた。
今日は東洋陶磁美術館の企画展「オブジェクト・ポートレイト」について書き記しておこう。
器形が作り出す稜線というか、シルエットのみで写真表現になっている。
エリック・ゼッタクイストの作品と写された陶磁器がひとつのケースに床の間のような調和をもって、一緒に展示されている。
この哥窯の作品は、前から不思議な作品だなと思っていたけれど、こうやって展示されると宇宙的でとりわけ現代アートにマッチする。
大きな作品はロビーやラウンジにも展示されていて、楽しめる空間になっている。
南宋官窯の八角瓶を写した作品は線の流れが水墨画のようできれいだった。
釉の色とか、装飾とか絵付けとかじゃなくて、陶磁器をこんなふうな視点で見ることができるんだねぇ。
ゼッタクイストの作品と陶磁器が並べられると、やっぱり、私は陶磁器のほうに目が行ってしまうのだけれど、こんなふうに展示されるのは新鮮に見える。
特集展示室では「高田コレクション・尾形コレクション ペルシアの陶器-色と文様」という特集展が同時開催されている。
青釉という濃い青色が強く印象にのこった。
現代アートの空間やエキゾチックなペルシア陶器も楽しめる冬シーズン。
一年前の唐代胡人俑展の衝撃には比べられないけれど、2月まで大好きな館蔵品をしっかり味わいたい。