しばらく大阪から離れていた。
九つも年若い身内が一人、病で逝った。
辛い時間に私たちを支えてくれた方々に感謝。
北海道の雪に埋もれた町から、にぎやかな大阪に戻ってきた。
行きも帰りも、空港や駅は外国人観光客で混雑していた。
旅する楽しさに満ちた空気の中で、私は場違いな客だった。
喧噪に満ちた大阪の街は、泣いてもわめいても、ほうっておいてくれる気楽なところだ。
ただいま。
半ば茫然自失としているけれど、とにかくゾンビのように職場に通う。
それでも、日にち薬でいつもの毎日が徐々に戻ってくる。
今日はインスタントコーヒーを飲んで、実においしいと感じた。
ありふれた日常を過ごせることが、本当に幸せに思う。
生きているということは、生き延びていることであって、当たり前ではないと亡き人から教えてもらった。ありがたい。
少し経ったら、外に出かけて、美しいものたちにまた会いに行こう。