大阪市立美術館特別展「揚州八怪」

大阪市立美術館にやっと来ることができた。春の展覧会は通り過ぎてしまったな。

 

さて、「揚州八怪」って何??美術館の案内を読んでも、いまひとつわかっていないが、清時代の傑出した芸術家たちの作品を見に出かける。

 

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会場を見渡すと、絵画だけでなく、書の作品もいっぱいだ。
自由自在のさまざまな書跡に目を見張る。


まず、端正な楷書の前に立ち止まる。(蘆見曽ろけんそう)「楷行書北橋餞後詩」
友人との送別に贈った詩文。蘆見曽は塩を扱う商人、芸術家のパトロンかな。
富と文化が蓄積した大都市揚州をイメージする。

 

続いて、八怪登場に先立つ先駆者たちの作品。
なんだろ、この鳥は?意地悪く、かわいい鳥に惹きつけられる(朱耷しゅとう)「 山水花鳥図」 上海博物館 画像。
同じく朱耷の「草書七言絶句」はのびやかな文字が大きな画面空間をつくっている。眺めていると気持ちがよい(全く読めないけれど)。

 

そして、いよいよ「揚州の怪傑たち」目を奪われる作品がたくさんある。せめて好きな作品だけでも記録しておこう。


(李鱓りぜん)「風荷図」 風雨に打ち破れた蓮の花と葉が大胆にざっくり描かれて、力強い画賛が画面を引き締めている。いい加減に描いているようなのに、情景が浮かんでくるぞ。

 

(李方膺りほうよう)「風竹図」上海博物館 画像 本物が是非見たい
「墨梅図」梅は君子の姿にたとえられるけれど、この絵の梅はまさにそのようだ。

 

(高鳳翰こうほうかん)「書画帖」若くして亡くなった長男への思いが伝わってきて、胸打たれる。

 

(汪士慎おうししん)「梅花図」昨年暮れに大和文華館でお会いしたかな。12面のうちの違う絵だったかな。梅と書が調和した澄んだ世界

 

(華嵒かがん)「秋声賦意図」大きな作品 山里の世界にひきこまれていく。画賛が読めたらもっとその中に入り込んでいけるのだろう。

 

(黄慎こうしん)「仙子漁者図」ほくそ笑んでいる人物表現といい、細長い画面を釣り竿でびしっと決めている構図といい完璧だなぁ。

 

(鄭燮ていしょう)「行書揚州竹枝詞」個性的な人に惹かれるように心に引っかかる書体。
「芝蘭竹石図」上海博物館 画像 これも本物が見たかった!

 

(金農きんのう)「隷書馬知節詩草跋」「隷書六言詩」この書体には本当にびっくり。「漆書しっしょ」とも呼ぶのだそうだ。

 

「八怪」と呼ばれる15人の芸術家が画像も併せて紹介されている。パネル解説を読んで作品を鑑賞してとけっこう忙しい。そのうち、混乱してきたので、少し予習をしたらよかったと後悔する。


しかも八怪を評価し支えた文化人や八怪の後継者たちの紹介まで展示は続く。

見どころ多すぎ、と贅沢な不平をもらす。

展示替えがあるんだねぇ。うーん、どうしよう

 

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