東洋陶磁美術館 企画展「福井夫妻コレクション 古九谷」つづき3

さて、最初に感動を記した樹木文の作品以外の「青手」はどんなかな。

 

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色絵 芭蕉文 大皿

 

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色絵 蔦葉文 大皿


大胆で自由な柄、全体を覆う濃く鮮やかな緑と少し赤みがある黄色、空間を埋め尽くす文様、……和食器というより美術品という感じ。


しかし、大皿を大名の宴会で使っていたと考えられるとある。

そういえば、以前、大阪市立美術館で見た素敵な青手の牡丹文大皿には、使用した痕が見受けられたなぁ。こんな個性豊かな大皿にどんな料理を盛りつけたのだろう?

 

これは、椿の花に紫の絵具が使われて、紫、緑、黄の3色が非常に美しい角皿。縁文様も現代的で面白い。

 

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色絵 椿文 角皿


古九谷様式で花の色や、岩の色などに使われる紫と、緑・黄色との取り合わせはとてもおしゃれで、印象的で、洋装の色柄にもなりそうだ。

 

愛らしい小品や、赤絵を思わせる作品にも出会った。

 

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色絵 草花文 瓢形香炉

 

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色絵 木賊文 猪口              色絵 帆掛舟文 角皿

 

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色絵 雲龍文 瓢形瓶

 

本当に、古九谷様式というのは、さまざまな表現があるんだなぁ。
青手の大胆な色、柄も、色絵のシャープな線の絵付けも素晴らしい。
華やかな縁飾りや、キャプションで紹介されている器裏面の文様も興味深い。


会期はまだたっぷりあるので、さらにゆっくり鑑賞させていただこう。

 

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