大阪市立美術館のコレクション展「愉快奇怪 神獣図鑑」を訪ねた。
入り口で迎えてくれるのは辟邪(へきじゃ:邪悪をさけるといわれる神獣)形と鴟鴞(しきょう:ミミズク)形の2つの青銅の水滴だ。
辟邪形水滴のキャプションには「断じてカエルではない」とあった。
でも緑青の色が手伝って、そのうずくまった姿はまるっきりカエルに見える。
軽妙なキャプションにクスリと笑ってしまう。
鴟鴞形の水滴も直立していて目線が合うせいか、ちょっととぼけて可愛い。
空想の怪獣、実在する動物も含めて、いろいろな生き物が登場する楽しいコレクション展だ。
そのなかで饕餮文をテーマにした青銅器の展示があった。
なぜか心惹かれる饕餮文。ちょうど一年前に見た奈良国立博物館の大眉の饕餮文の簋(き)という作品はとてもきれいだったな。
今度はどんな作品に会えるだろう。
期待は裏切られず、奇妙で魅力的な器が待っていた。
青銅 饕餮文兕觥(じこう←カレーソースポットのような形をした酒器だそうだ)商~西周時代 紀元前12~11世紀
饕餮文や鳥のような文様で器面が隙間なく埋め尽くされている。
羊の角のようなものも出ている。器全体がひとつの生き物のようにも見える。
どのような意味が込められているのだろう。
隣の展示室は同じく神獣図鑑展のやきもの篇
こちらは龍や鳳凰というくくりでさまざまな陶磁器が鑑賞できてお得な気分。
唐時代の白磁、高麗青磁象嵌の水注、18世紀の伊万里焼、この間勉強させてもらった南宋時代の玳玻天目、明時代の景徳鎮の五彩……という具合だ。
キャプションも含めて、カメラで写しておきたい、と思った。
いつか、コレクション展だけでも写真撮影OKになる日を待ちたい。