銀製男子立像(戦国時代 東京永青文庫蔵)が出展されると知って、「仏像 中国・日本」展を見に大阪市立美術館を訪ねた。
文庫本の図版を目にして、強く印象に残っていたあの胡人像の実物ではないかしら。
それ(彼)には会場に入ってすぐ、最初に会うことができた。
小さいけれど何てきれいな像だろう。
足指が見えるので裸足かな。ズボンを折り返しているのか、ゲートルのようなものをつけているのか。
頭に帯状の帽子?をつけ、髪を後ろでまとめているようだ。
9cm弱のかわいらしい像だけれど表情がしっかり表れていて、彼の視線さえ感じるようだ。
1点見ただけで、すでにかなりの満足感。
後はゆっくりと仏像を拝見する。
ガラスケースの周囲どこからでも鑑賞できるように展示されているので仏像の背中側に回ることもできる。
お客さんが作品のまわりを取り囲み、背中側からも側面からも熱心に鑑賞している。
仏様からすると、いつもは仰ぎ見られているのに、後ろ側からもじろじろと見られるのは居心地が悪いかもしれない。
仏の姿を後ろから眺めるというのは、何だか無作法なことをしているような奇妙な感じだ。
しかし、背面や台座にも彫刻や刻文があり、仏様のプロポーションや横顔もじっくり拝見できて、さまざまな美しさを味わえる。
仏様のお顔はギリシャ人のような彫りの深いもの、細い切れ長目のふっくらとしたもの、どこぞで見かけたような親しみ深い表情のものまであって面白い。
仏像がお好きな方なら、表情、ポーズ、衣のひだ、装飾、プロポーション、素材などで時代や地域がわかるのだろうなぁ。細部にも美しさが込められていて、見どころが多いものだなぁ。
その中でも、理由は自分でもわからないけれど、石に彫られた北魏の仏様にいちばん心が惹かれた。
来月開かれる講演会はできたら受講してみようっと。もう少し学びたい。
そして、もう一度すてきな仏様にお目にかかろう。