大阪市立美術館コレクション展 「大阪の仏像」 「中国の石像彫刻」

昨年の「仏像 中国 日本」でお会いした北魏の石仏に、再会できるかも、とひそかに期待して見に出かけた。
コレクション展の入館料は300円。気軽に足を運べる。
ゆっくりと作品を楽しめて、とても値打ちがあると思う。

 

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まず、初めに大阪のお寺に秘蔵されている仏像を鑑賞

 

手を触れることができるほど、間近に、しかも像の周囲を360度回って、立ち姿や装束の全体を仔細に見ることができる。
接触禁止の表示は各所にあるけれど、思わず手を伸ばしたくなるほどなので、監視員の方ははらはらするのではないかしらん。

 

仏様はもちろんだけれど、四天王立像、不動明王像、毘沙門天像なども見事だなぁ。
その劇的なポーズ・表情・装束・得物…、立像の周囲をくるくる回って、時を忘れる。

 

仏様の衣装はインド風?神将たちはどちらの国からいらしたのか。おしゃれだ。
好奇心に駆られるいっぽうで、おだやかな仏様と無心に一緒に過ごしていたい気持ちも生まれる。

 

さて、中国の石像彫刻はいかが。
うれしいことに思っていた北魏南北朝時代如来坐像や菩薩交脚像龕にまたお会いできた。
ふっくらとしたお顔や身体つき、優しい表情が魅力的だ。

 

そればかりでなく、如来三尊像や菩薩三尊像といった中心像の両側にひとりずつ脇侍が付くタイプの石彫などがたくさん鑑賞できる。

像のお顔を比べるのも楽しい。
スッとしたお顔だけでなく、お見掛けしたことのあるようなお顔や、ちょっと変顔もある。

 

仏像の背面や台座にも文字や彫刻がびっしり彫られている作品が多く、360度見られることはありがたい。

 

昨年の展覧会で初めて鑑賞したとき、あまたの日本や中国の仏像のなかで、この北朝の石仏群がなぜか一番好きだった。
ちょっと素朴なところ、ひなびたところがいいのかな。


仏や神仙と過ごす静謐なとき
ぼうっとこの場所に石仏と一緒に居りたいな

 

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