「OSAKA MUSEUMS 学芸員 TALK&THINK」を受講する

 東洋陶磁美術館でやきものについての講演会を拝聴するのは、たとえ生活の中で何が起こっていても大事にしたい至福の時間。


今日は大阪市内の学芸員さんたちがリレーで市内の美術館、博物館で講座を開くというちょっと変わった趣向のイベント「OSAKA MUSEUMS学芸員 TALK&THINK」を受講した。

2部構成になっていて、お目当ては後半の小林仁先生の天目茶碗についてのお話だが、前半の「徳川大坂城築城400年①」(大阪歴史博物館 大澤研一学芸員)も面白かった。

豊臣が滅びたのちの大坂城の変貌について、当時の地名や地形が今も残っていることも手伝って、なるほどなるほどと伺うことができた。


さて、後半は「国宝「曜変天目」と「油滴天目」の魅力にせまる」(東洋陶磁美術館 小林仁学芸員


私は曜変天目茶碗というのは、写真やテレビで見る限りある種気持ち悪いような美しさだと感じていた。
あのような魔性の美には近づかなくてもよいわ、と、この春話題になっていた時にも決め込んでいた。見に出かけるお金もないしね。


ところが、次から次へと国宝や重要文化財の天目茶碗の素晴らしい写真が映し出されるとすぐに目が奪われてしまった。


小林先生から、その美しさ、希少性、伝世されてきた重要性が解説されていくほどに、天目茶碗への変な抵抗感は失せ、見てみたいという気持ちが生まれてくる。


それどころか、最新の技術で撮影された曜変のオーロラのような光彩の部分が大きく映し出されたときには、それに見とれて心臓がどきどきしていることに気が付き、我ながら驚いた。

映像の美しさに興奮していたようだ。
鈍感な人間だから、普段めったにどきどきすることはないのだが。


やっぱりきれいなものには魔力があるんだねぇ。
ため息をつきながら、帰途に就いた。
もし、次に見る機会があったなら、出かけてみようか…

 

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