年の終わりに美しい茶碗を見せていただいた。
東洋陶磁美術館ではしなやかに空間に広がっていくような竹工芸の名品展が開かれている。
その会場の一室に、宇宙を閉じ込めたようなやきものが展示されている。釉薬の魔法だろうか。
特集展「受贈記念 木村盛康・天目のきらめき」
匿名の方からのご寄贈とのこと。
素晴らしいな。ありがたいな。こんなに近くでなかなか目にすることのできない作品を鑑賞できるなんて。
(左)油滴天目茶盌 (右)耀変天目茶盌
濃い藍色の地の中に斑文が浮かびあがり、きらきら光っている。ピンクのような色彩も見える。とてもきれいだ。見惚れる。
赫天目別雷茶盌(かくてんもくわけいかずちちゃわん)
青い雷?が鮮烈で、地の褐色との対比が強く印象に残る。
耀変天目香炉
瑪瑙のつまみ、長い間深い海の底にあって引き揚げられた宝箱のようだ。
(左)窯変禾目天目鉢 (右)天空鉢
どんなふうにこのような世界をつくっておられるのだろう。
濃い深い色彩、稠密な文様 作品から目が離せなくなる。
禾目紫天目壺
禾目碧天目花器
禾目碧天目水指
細い禾目が独特な雰囲気の作品。水や空気が流れているような感じがする。やきものではない何かに変容している。
天目醍醐茶盌
多彩に多様に変化した器25作品 ぐっと内容が凝集された展示室だ。
キャプションも凝っている。背景に筆字がみえてかっこいい。(作品リストのみならず、デジタルカタログもキャプションもダウンロードできて至れり尽くせり)
特集展をたっぷり味わって、いつもの中国展示室へ。
今日は磁州窯の洗面器みたいな作品が展示されている。
温かみを感じて、これもよいなぁ。「ふだんづかいに磁州窯」なんてね。
冬至の日 よい出会いに感謝