天目ー中国黒釉の美 7月

あきらめていた小林仁先生の講座がオンラインで開催されるって。やったー!
でもZOOMの会議に参加したことってなかったな。ちょっと心配。

 

さて、展覧会場のつづき

白覆輪天目というのは、最初見たときちょっと奇妙なデザインに思われた。
なんで口縁が白いの?

 

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いずれも白覆輪天目 磁州窯系 金時代 12-13世紀

キャプションの一節に天目における銀色の金属製覆輪をイメージさせる、とある。
北方の地方で、天目茶碗に憧れて、似せて作ったものかしらん。


口縁から一度かけた黒釉を削り取って、白化粧をし、透明釉をかけるって、とても手をかけている。そこまでするからには、かなり人気が高かったのかもしれない。
黒地に斑文が見えるものもある。

 

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白地黒掻落 束蓮文 碗 当陽峪窯 北宋~金時代 12世紀


白いふちと細い白線のはいった見込の柄とは絵と額縁みたい。都会的だなぁ。

 

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白覆輪天目 定窯 金時代 12-13世紀

 

定窯でつくられたものは胎土が白いために白化粧をするひと手間が省けた、と。口縁が本当に白い!さすが定窯。

 

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白覆輪天目 磁州窯系 金時代 12-13世紀

この作品は面白い。油滴天目や禾目天目のような効果をねらって筆で褐斑を書いたり、散らしたりしたものだという。なんか人間味がある。

 

白いふちのある漆黒のお茶碗。どんなふうにお茶を楽しんでいたのか、興味が広がる。


今回の展覧会を通して、磁州窯系の現代に通じるようなデザインと手わざに親近感を感じるようになった。

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(左)黒釉「元祐四年」銘 盤 磁州窯系 北宋時代 元祐4年
(中、右)黒釉 堆線文 双耳壺 磁州窯系 金時代 12-13世紀


木葉天目さんはたがが緩んでゆったりとくつろいでいる…このたびの展示の仕方では、いつにもまして優雅に見えるね。
鏡面のうえにあるために、側面の釉の深い黒の美しさに初めて気が付いた。

 

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重要文化財 木葉天目 吉州窯 南宋時代 12-13世紀


あぁ、堪能しました。これでひととおり拝見しましたかな。いやいや、まだ、特集展「現代の天目―伝統と創造」がまるっと残っている。何と幸せ。