再開した東洋陶磁美術館(MOCO) つづき
初めに訪れる展示室では、壁をテーマにした写真作品が、展示作品の背景にある。または写真の前景に陶磁器や工芸品がある。響き合って、物語性が生まれるようだ。
私は青銅器と暗い灰色の壁の組合せが好きだ。
青銅 饕餮文 鴟鴞卣 商時代 + 壁の記憶#32 六田知弘
そして次に進むと
あの国宝油滴天目が専用ケースに収まっていて、滅多矢鱈に美しい。
くるりと回って、どこからでも鑑賞できる。
作品の内面は燦燦と明るく、とても見やすい。
この世にあり得ないような美しいものを間近に感じることができる。
「天目~中国黒釉の美」展でも何度も凝視し、堪能させてもらった。でも、もっときれいになったの?
ホームページを拝見すると、照明やガラスの材質にこだわった専用ケースのことが書いてある。なるほど…
それにしても、ここまで作品を美しく見せてくれるとは、待った甲斐があったねぇ。
どの展示室でもやきものをきれいに見せようとする心遣いに充ちている。
茶碗のかたちのコントローラーを動かして油滴天目茶碗の4K映像を見る体験コーナーも試してみる。
高台や底は釉薬がかかっている部分とは対照的にかなり荒い感じだ。
油滴の効果を狙って作ったのではなく、山ほど焼かれた茶碗の中の、偶然の、奇跡の一碗だつたのかなと空想する。
展示の仕方にいっそう磨きがかかったMOCO
秋の特別展の予告も発表された。
ありがたく、うれしいことこの上も無い。