リニューアルオープンした東洋陶磁美術館の特別展「シン・東洋陶磁―MOCOコレクション」では、イ・ビョンチャン博士の中国陶磁コレクションの展示室が設けられている。
韓国陶磁と比較対照して研究する目的で博士が集められたものだそうである。
古代から元時代まで、20数点の作品が展示されている。
その中で、まず随の時代の白磁の杯にくぎ付けになった。
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白磁 杯 隋時代 7世紀
非常に薄い造りで、均整の取れたかたちをして、清らかに白い。7世紀に、すでにこんなにも洗練された製品が生産されていたなんて信じられない。
これでお茶を飲んでいたのかな、あまりに薄くて熱いものには向かない感じがする。
お隣に並ぶ、唐時代の白磁の盒もあっさりとしてきれいだ。
たまたまだろうけど、白磁杯と同じケースに収められた小品は、いずれも、丁寧に作られていて優美な感じ。しかも焼成された時代や窯がわかっているものもある。目に焼き付けておこう。
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(左から)
白磁 盒 唐時代 8~9世紀 化粧用のお粉(白粉や頬紅)をいれる容器
青白磁 柘榴形盒 北宋時代 11~12世紀 景徳鎮窯
形が可愛らしく、肌も白く艶やかで化粧道具にふさわしい器だ。
青磁 盤 北宋時代 11世紀 耀州窯 小さなお皿だけど、宝石のような釉色がきれいだ。
青磁 輪花碗 五代~北宋時代 10~11世紀 耀州窯 これも独特のグリーンが美しく、かたちもおしゃれ。
西晋時代の香炉も心に留めておこう。
「西晋」時代でしかも越窯だって!よくきれいに残っている。お墓にあったのだろうか。ちょっと手の込んだ作りだ。この時代にはもうすでに青磁の器が使われているんだねぇ。
遼三彩のお皿セット?も、色彩が鮮やかで、太陽かお花のような大きな模様と波のような地模様が組み合わさって、面白い。以前大和文華館でお魚模様のものを見たことがあった。作った人、使った人の生活が感じられて、楽しいやきものだと思う。
(左2点)三彩印花 花文 輪花盤 遼時代 11世紀 缸瓦窯
(右)三彩印花 花文 稜花長盤 遼時代 11世紀 缸瓦窯
ほかにも、いつもはあまり出会えない作品を拝見できて、よかった。
さて、次はどんな仕掛けがあるのだろう。