台風の中、中之島香雪美術館へ行った。
「茶席を彩る中国のやきもの」 記念講演会
「青磁と天目~中国陶磁史研究の最前線から」出光美術館主任学芸員 徳留大輔氏
を拝聴するために。
最も学びたいことだから、悪天候のために中止になってしまわないかと、ひやひやした。
後漢時代から明時代まで千年以上続く青磁の歴史について、豊富な画像を使って重点的にお話していただき、あっという間に1時間半が過ぎた。
しばらく、このような内容のレクチャーを受講することができなかったので、飢餓状態が満たされた気持ちだ。
レジュメもいただきありがたかった。
さてさて、肝心の講義内容を少しでも吸収できたかな…
〇越窯は三国時代から南宋時代まで素晴らしい青磁を生み出した。あらためてすごーい。
「南宋越窯」という言葉を覚えた。(そういえば、東洋陶磁美術館の南宋時代の青磁刻花輪花盤の写真を撮り損ねているなぁ。)
〇越窯の器をたたえる言葉「秘色」:色彩を表すというより、臣下や庶民には使えない格式をあらわす意味ではないか、とのこと。
〇龍泉窯には大きく2つの特色ある地区(金村窯、大窯など)があった。
明代の初め頃まで宮廷使用品が生産されていた。→大窯楓洞岩窯
数えきれないほどの戦乱があった中国で、すばらしいやきものを生み出す文化、技術、美意識が途絶えずに発達していったことは本当に驚きだ。
出光美術館展覧会図録「宋磁-神秘のやきもの」のなかで徳留先生が紹介されていた宋時代の官窯の系譜の図も登場した。
南宋時代の龍泉窯と南宋官窯との関係性の説明の中で触れられていた。
その図の上部、北宋時代の耀州窯と北宋汝窯との関係もいつかお聞かせいただければ…
先生のお話を聞きながら、勝手な希望がふくらみ、さらに知りたいことが増えていく。
研究者の方々のご苦労の成果をすずしいお部屋で楽々と聴講でき、とても幸せだった。