イセコレクション展から学ぶ 3日目

イセコレクション展 今日は元~明時代の作品から鑑賞していこう。

 

このたびの展覧会では、加賀前田家に伝来した、しっとりと落ち着いた天目 (黒釉の茶碗)が出展されている。

f:id:ivoryw:20171024153503j:plain
f:id:ivoryw:20171024153555j:plain
灰被天目茶碗 茶洋窯 元ー明時代 14~15世紀   右写真は天目台と

そういえば、2年前に開催された「黄金時代の茶道具展」では、ただひたすら感心するばかりで、その後あまり覚えていない。

もうちょっとわかっていたら、もっと楽しめたかもしれない。もったいないことをした。

茶碗のことも機会があったら覚えていこう。

 

  さて、次は「澱青釉(でんせいゆう)」と呼ばれる鈞窯特有の失透性の青色釉に、酸化銅を加えて、還元焼成し、紫色を発色させた作品

f:id:ivoryw:20171024152212j:plain
f:id:ivoryw:20171024152233j:plain
紫紅釉稜花盆 鈞窯 明時代 15世紀

 高台内に漢数字の「六」の刻印が見られ、器のサイズを示している。

高台内に刻印番号がある鈞窯の製品は「官鈞(かんきん)」と呼ばれる宮廷用の器

 

高台(こうだい):器の底につくられる、支えとなる台の部分。

やきものの作り方とか、素地の色とかがわかるから底はとっても大事なんだねぇ。

 

次は青花(せいか)

白磁の素地の上にコバルト顔料を用いて、筆で文様を描き、透明釉をかけて焼成する技法。日本では染付(そめつけ)という。

 

ぐっと現代のやきものに通じる作品があらわれてくる(逆かな。現代のやきものが古代のやきものを追っている?)。

 

麒麟文瓶 元時代 13~14世紀     龍文高足杯 元時代 14世紀

いずれも景徳鎮窯

f:id:ivoryw:20171024155808j:plain
f:id:ivoryw:20171024155824j:plain

 すがすがしい白と青、のびやかな麒麟と龍、すてきな作品だ。

 

 そういえば、館蔵品に大物がある。高い技術に圧倒される。

 重要文化財 蓮池魚藻文壺 元時代 14世紀 景徳鎮窯

f:id:ivoryw:20171024184250j:plain

 

 

時代が下って明時代の作品

 青花は中近東にも輸出され、輸出先の人々の好みに合わせた作品も生産された。

f:id:ivoryw:20171024160328j:plain
f:id:ivoryw:20171024160344j:plain
f:id:ivoryw:20171024160724j:plain
宝相華文稜花盤      花唐草文碗      龍文鉢

左  盤 明時代 永楽(1403-24)
中央 碗 明時代 成化在銘(1465-87)

右  盤 明時代 正徳在銘(1506-21) いずれも景徳鎮窯

 

今日の最後は 館蔵品のこの作品

宮廷で用いられた梅瓶(めいびん)

ふたの部分にのみ、青花で文様が描かれ、白の美しさが際立っている。

青花 内府銘 梅瓶 明時代 永楽(1403-24) 景徳鎮窯

 f:id:ivoryw:20171024191406j:plain

 

明・清代の華やかな色彩と文様の世界は次回にとっておこう。今日はここまで