イセコレクション展 今日は元~明時代の作品から鑑賞していこう。
このたびの展覧会では、加賀前田家に伝来した、しっとりと落ち着いた天目 (黒釉の茶碗)が出展されている。
そういえば、2年前に開催された「黄金時代の茶道具展」では、ただひたすら感心するばかりで、その後あまり覚えていない。
もうちょっとわかっていたら、もっと楽しめたかもしれない。もったいないことをした。
茶碗のことも機会があったら覚えていこう。
さて、次は「澱青釉(でんせいゆう)」と呼ばれる鈞窯特有の失透性の青色釉に、酸化銅を加えて、還元焼成し、紫色を発色させた作品
高台内に漢数字の「六」の刻印が見られ、器のサイズを示している。
高台内に刻印番号がある鈞窯の製品は「官鈞(かんきん)」と呼ばれる宮廷用の器
◎高台(こうだい):器の底につくられる、支えとなる台の部分。
やきものの作り方とか、素地の色とかがわかるから底はとっても大事なんだねぇ。
次は青花(せいか)
白磁の素地の上にコバルト顔料を用いて、筆で文様を描き、透明釉をかけて焼成する技法。日本では染付(そめつけ)という。
ぐっと現代のやきものに通じる作品があらわれてくる(逆かな。現代のやきものが古代のやきものを追っている?)。
麒麟文瓶 元時代 13~14世紀 龍文高足杯 元時代 14世紀
いずれも景徳鎮窯
すがすがしい白と青、のびやかな麒麟と龍、すてきな作品だ。
そういえば、館蔵品に大物がある。高い技術に圧倒される。
重要文化財 蓮池魚藻文壺 元時代 14世紀 景徳鎮窯
時代が下って明時代の作品
青花は中近東にも輸出され、輸出先の人々の好みに合わせた作品も生産された。
左 盤 明時代 永楽(1403-24)
中央 碗 明時代 成化在銘(1465-87)
右 盤 明時代 正徳在銘(1506-21) いずれも景徳鎮窯
今日の最後は 館蔵品のこの作品
宮廷で用いられた梅瓶(めいびん)
ふたの部分にのみ、青花で文様が描かれ、白の美しさが際立っている。
青花 内府銘 梅瓶 明時代 永楽(1403-24) 景徳鎮窯
明・清代の華やかな色彩と文様の世界は次回にとっておこう。今日はここまで