中之島公園のバラはもう終っただろうか。
バラと東洋陶磁美術館のセーヴル展を見に出かけた。
贅と技を尽くした宮廷の磁器にほうっとため息をつく。
最後の展示室(現代のセーヴル)で、別な意味ではっとする作品に出会った。
花器「Sakura」と「ゴールデン・スピリット」という作品だ。
「Sakura」は清楚さや、春の別れ、花びらが散ってゆくようなはかない美しさなどを感じさせる。
「ゴールデン・スピリット」は連れて帰りたいキュートさだ。
伝統産業が未来に引き継がれるには、時代に対応して変わり続けなければならないということだろうけれど、日本のやきものは大丈夫かなぁ。
やきもの好きの私としては、心配だ。
何しろ、最近の私たちの食生活は食器もあまり必要としない。
加えて100円均一でそこそこの食器が大量に出回っている。
高齢になるときちんと握れないために、割れるのを嫌って、プラスチック製の食器を使用する(使用される)場合もある。
ゴージャスなセーヴルの磁器を鑑賞したというのに、話がさびしくなってしまった。
盛りは過ぎてしまったが、散りかけたり、少し傷んだ花も十分にきれいだ。
「ゲイシャ」という品種はすっかり開花したためか、それともそういう品種なのか、花芯を見せてぼたんのように咲いているのがとてもチャーミングで素敵だった。
暑さと湿気に見舞われる前に、もうしばらく今日のような爽やかな日々を満喫したいものだ。