第4会場「祈りの場を荘厳する」では羅漢様が迎えてくれる。
高麗で国教となり盛んになった仏教や、道教などの儀式・祈りの場でもちいられた鶴首瓶、浄瓶、香炉などが展示されている。
芳香が漂ってくるような、心落ち着く空間だ。
青磁羅漢像 高麗時代12ー13世紀
つづいて、いつも絶妙な色合いだな、と思っていた陶板。
寺院などの建築装飾用に使われたかもしれない、とのこと。”青磁タイル”ってきれいだろうね。
そして、仏様に花を供えるための瓶、浄水を供えるための浄瓶、鶴首瓶
すべてが上品で優雅で楚々としている。
少し控えめな印象もある灰色がかった青緑色の釉の色。
中国の宋の時代のやきものに倣って形がとても似ているけれど、釉色はちょっと地味とも見える。高麗の人々の美意識がそこにあるのだろう。
(左)青磁瓶 高麗時代12世紀前半(中)青磁陽刻蓮花文瓜形瓶 高麗時代12世紀(右)青磁砧形瓶 高麗時代12世紀前半
(左)青磁陰刻柳蘆水禽文浄瓶 高麗時代12世紀(右)青磁象嵌牡丹蝶文浄瓶 高麗時代13世紀
これはもう信じられない、夢のような秘宝だ。
(左)青磁陽刻牡丹蓮花文鶴首瓶 高麗時代12世紀(中)青磁象嵌菊牡丹文鶴首瓶 高麗時代12世紀後半ー13世紀前半(右)青磁象嵌蓮唐草文鶴首瓶 高麗時代12世紀後半ー13世紀前半
香炉はいろいろな形があって楽しい。
両方とも「とうてつ(中国神話の怪獣)文」とあるけれど、私には犬か狐が走っているように見えて何だかかわいい。
(左)青磁彫刻麒麟蓋香炉 高麗時代12世紀(中)青磁彫刻鴛鴦蓋香炉 高麗時代12世紀(右)青磁印花夔龍文方形香炉 重要美術品 高麗時代12世紀
次は、儀礼用の器や、舎利器、骨壺、胎壺(へその緒をいれる壺)などに使われたかもしれない高麗青磁の展示を見よう。
舎利容器だったかもしれない小ぶりで精緻なつくりの壺
(左)青磁陽刻花文四耳壺 高麗時代12世紀(右)青磁陽刻蓮唐草文壺 高麗時代12世紀
素晴らしい彫刻装飾の蓋つき容器
青磁陽刻牡丹唐草文盒 高麗時代12世紀
これらの器はどのように使われたのだろうか。
(左)青磁四耳壺 高麗時代12世紀前半(右)青磁陰刻雲鶴文双耳壺 高麗時代12ー13世紀
最後はやっぱりこの作品で締めよう。
透明感のある灰青緑色の釉色が何とも言えない。うっすらとピンクに見えるようなところもあり、触れてみたくなる。
あぁ、いっときすべてを忘れている。
この部屋を出て、美術館から去っても、青磁の夢の中で暮らしていたいねぇ。