引き続き「シルクロードと唐帝国」(森安孝夫著 講談社学術文庫)を少し読んでは読み返し、行きつ戻りつしながら楽しんでいる。
楽しんではいるのだが、中国の歴史と地名がわかっていたらもっと深く理解できるのではないかと歯がゆく思う。
少し前に、俑についての専門書(「中国南北朝隋唐陶俑の研究」小林仁著 思文閣出版)を覗かせていただいた(読んだとは到底いえないので)ときも同じことであった。
本を読んでいるその瞬間は、遊牧騎馬民族の世界や俑の世界に浸って、それは幸せな時間であるのだが、本から離れるときちんと覚えているものがない。
まあ私なんかは自分でも読者になるには対象外ではないかと思うが、多少理解したいという欲は湧いてくる。
もう少し、あちらの本、こちらの本を読んで知ったこと、美術館で古いやきものや俑を鑑賞した体験が頭の中で結びついてくるようにしたいものだ。
たとえば、「シルクロードと唐帝国」は唐代中国に対して抱く私のイメージえを変えた。:漢民族だけでなくたくさんの遊牧騎馬民族が主役として活躍し、現代よりずっと中国の内陸部、西域が重要であったんだ!
短絡的ではあるが、あの唐代胡人俑展(甘粛省の穆泰墓)の俑たちの自信と気迫に満ちた姿が重なって、まさしく当時そのように活躍していたのに違いないと思った。
(加彩胡人俑 あの俑たちにまた会いたい)
美術館での古いやきものの鑑賞は何の知識もなくても美しさを感じるけれども、時代や地域や技術の伝承などなどを知ればさらに愛おしさが増してくるにちがいない。
東洋陶磁美術館館蔵品
毎回同じものを見ているはずなのに訪ねるたびにちがった美しさに気が付きはっとする
あの俑の専門書ももう少し理解したいものだ。
古いやきものや俑のことをもっと知りたいから図録を眺めたり、関連の本を読む
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その書物を読み取るためには基礎知識がもっと必要ではないか
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そっか、長い道のりになりそうだけれど、ちょこっと中国の歴史を勉強しようかな…
と、殊勝なことを考えながらも、読みさしの本や雑誌がだらしなく散らばって重なって、夏の夜がうだうだと更けていく