東洋陶磁美術館で3月まで開催されていた唐代胡人俑展では、忘れられないほどの強い印象を受けた。
もっと「俑」というものに触れてみたいという思いがあって、俑についての書物を少しずつ読み進めている。
専門書なので、私が読むというのもおこがましいようである。せいぜい眺めているといったほうが正しいが、それでもたくさんの写真が掲載されているので、その本の扉を開けるたびに古代の独特な造形の世界に浸ることができる。
まあ、文字があまり読めない子供が大人の本にあこがれて無理して読んでいるようなものだ。
心血を注いだ著者の方にはまことに申し訳なく思っています。
それでも、
俑の造形表現、それ自体が、古いのに斬新に見えて魅力的であることに加えて、
陶磁器技術の進歩、変遷とも重なっている
当時の服飾などのファッションがわかる
葬送についての考え方をうかがい知ることができる
など、俑の世界の奥行きは深く、広い、ということがおぼろげながらわかってきた。
また、先の胡人俑展では、女俑、胡人俑などが主に展示されてあったのだが、そのほかにも武人俑、鎮墓獣、文吏俑、男侍俑、楽人俑など、いろいろと種類があることを知り、それらの豊富な写真を見るだけで楽しい。
それらを見るにつけても、あの胡人俑たちは、どうしてあのように素晴らしい造形なのか、その思いは強まっている。
あのような素敵なものにまた会えたらよし、会えぬもよし…か。
ここでちょっと自分の写真も整理しておこう。
北魏時代 | 6世紀 | 素焼き→白化粧→加彩 |
隋時代 | 6-7世紀 | 白化粧→低火度鉛釉(緑釉) |
唐時代 | 7世紀 | 白い胎土、低火度鉛釉(黄釉)、加彩 |
唐時代 | 7世紀 |
唐時代 | 7・8世紀 | 白い胎土、唐三彩(則天武后の治世に流行) |
唐時代 | 8世紀 | 白化粧、加彩 |
そして、唐時代730年 穆泰墓
唐時代にはもうすでに長い歴史と技術が積み重ねられていたのだろう。
面白いなぁ。興味が尽きない。
さて、もう少し頑張って本の内容を理解していこう。