東洋陶磁美術館 館蔵品を見る楽しみ2

虫網を持った夏休みの子供のように、今日も東洋陶磁美術館へ。館蔵品をじっくり見るのに良いシーズン。

 

中国陶磁の大きな展示室と展示室の中間に、「自然採光展示室」という外の光をとりいれて、作品を鑑賞できる部屋があり、そこにゆったりと名品が並べられている。

 

今は「青磁 水仙盆すいせんぼん」、「青磁 鳳凰耳花生ほうおうみみはないけ」、「青磁 八角瓶はっかくへい」、「飛青磁花生とびせいじはないけ」、「油滴天目茶碗ゆてきてんもくちゃわん」の5点だ。(国宝2点、重要文化財1点を含む ご興味のある方は東洋陶磁美術館ホームページ収蔵品紹介をご覧ください)

 

古代の貴人しか見られなかったものを、間近に見る事ができる幸せ。この美術館があるから大阪に住んでいてよかったと思うほどである。

 

さて、専門的なことはわからないので、ただ作品を見て、自分なりに美しいとか面白いとか感じるだけなのであるが、ことに好きなものはある。

 

定窯(ていよう)白磁の洗(せん)と瓶(へい):白いボウルというか洗面器のようなものと花びんのようなもの この2点は必ずしっかり見て帰る。

 

2013年に開かれた定窯の窯址発掘の展覧会とそれにちなんで同時開催された塚本快示特集展で、定窯白磁にすっかり魅了され、それとともに館蔵品の値打ちが少しわかった気がした。それ以来、多少どこの窯(かま)とかいつの時代のものかを気にするようになっていっそう興味が増した。

 

前述の洗と瓶は、温かみのある白さ、どうやって焼いたのかと思うほどの器の薄さ、優雅な彫刻など、定窯の白磁の姿を1000年以上も変わらずに、壊れずに伝えてくれる。

しかも、そのまま野菜を盛ったり、花を活けたりしても、何の違和感もなく現代生活に合いそうだと私は勝手に思っている。

 

見れば見るほど、知れば知るほど興味は尽きないのだ。夏休みの宿題は終わらない。

 

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