東洋陶磁美術館 館蔵品を見る楽しみ

東洋陶磁美術館の展示が替わったので、さっそく訪問。華やかな特別展(今年はハンガリーのヘレンド 7月30日に終了)はもちろん素晴らしいのだけれど、私としてはいつも展示されている館蔵品がみられないとちょっと寂しい。

 

今日からは平常展プラス特集展、そして金子潤という作家の方の受贈記念の展示だ。

この中の特集展「宋磁の美」に北宋汝窯水仙盆と同時に展示された汝窯青磁の茶碗(盞)がまた展示されている。

水仙盆に勝るとも劣らない優美な色、形、あの茶碗にまた会える。

 

東洋陶磁美術館の順路としては大きな展示室と3階を見てから、特集展示室にたどり着く。いつもこの順路に従うと、もうほとんど力尽きてしまうので、まだ人がまばらなのを幸いに、まっすぐ、特集展示室に向かい、最初に汝窯の茶碗をゆっくりと鑑賞した。

 

完璧な形、薄くかけられたうわぐすりでこの肌の色(天青色)、900年も昔にこのような器がつくられ、しかも伝えられている奇跡(まあ奇跡といえば、この美術館の中に奇跡の展示品はいっぱいある)。

お目当てのものをしっかり堪能したのち、順路に戻った。

 

韓国陶磁をいつもより時間をかけて見る。

私は見どころ満載で順路の一番最後にある中国陶磁の展示室が好きで、韓国陶磁の展示を見るのを早めに切り上げて先を急いでしまうことが多い。

今日はゆっくり鑑賞し、高麗青磁などをあらためて美しいと思った。

 

中国陶磁の展示室では、必ず唐時代の女性のお人形(俑)に挨拶をする。彼女はいつもターンテーブルの上に立ち、終日ゆっくりと回転している。おかげで、彼女をどの角度からも眺めることができる。そして、どの角度からみても均整の取れた美しい立ち姿に感動する。

 

久しぶりに宝物を鑑賞し、1階の喫茶室でばらのソフトクリームをいただき、眼福、口福の時間を過ごした。