大和文華館「文字を愛でる 経典・文学・手紙から」展

また大和文華館を訪ねた。 今度は書を見る。「文字を愛でる 経典・文学・手紙から」展だ。 書を鑑賞するのは、初めは苦に思えるときもあった。読めないものを目で追うのは忍耐がいる。そのうち読もうとしないで、気楽に眺めるようになり、いいなぁと思うとき…

大和文華館「やまと絵のこころ」

梅が見頃になりそうだ。 大和文華館のお庭はどうかな。 「やまと絵のこころ」展があとわずか。 今まであまり興味がなかったが、「やまと絵」というものを見に行こう。 梅見物のついでに、と軽い気持ちで訪ねたら、のっけから重要文化財やら国宝やらがお出まし…

湯木美術館 早春展「春の茶道具取合せ」

また大阪で生活費を稼ぐことにする。 「東洋美術に触れられること」は、ほかのことには代えられない。 早速湯木美術館の春季展示を見に行く。 「春の茶道具取合せ」 湯木吉兆庵が昭和59年1月15日に行った茶会の再現展示だそうだ。 いいね、いいね。 新春のあ…

江別市セラミックアートセンター 2023/10/4

私は間に合わなかった。仕事を辞めて大阪から帰ってきた私を見て、母は自分の子供とは認識できなかった。母の認知症と身体の衰えは急速に進み、家族の介護はすぐに行き詰まり、家から入院へ、そこから施設へと進んだ。医療と福祉の関係の方たちには、感謝の…

特別企画展「隠逸の山水」大和文華館

仕事を辞めて、部屋を引き払う。母親から「どちら様ですか?」と言われる前に帰らなあかんと思っていたが、間に合わないかもしれない。恐ろしいほど老衰の症状が進む。やることリストは意外にも多く、気ばかりあせる。 そんな中、これで最後と思って大和文華…

湯木美術館早春展「春の茶道具取合せ」

湯木美術館の早春展が始まった。昭和40年早春に湯木吉兆庵(貞一)が開いた茶会の再現展示とのことだ。入室すると、格式高いお茶会に招かれたような気分になる。 一筆書きの釜の絵?がある明恵高弁筆の消息(鎌倉時代 13世紀)が掛けられている。続いて、そ…

大和文華館「明清の美―15~20世紀中国の美術」

どうも絵画を見ても、やきものを見るときほどわくわくできない。特に山水画は惹かれながらも楽しめない。わくわくしなくてもよいが、もう少し、自分の心に、静かに水墨山水を味わうような気持ちを育てたいものだ。 年末は勉強のつもりで、大和文華館特別企画…

京都国立博物館特別展「京に生きる文化~茶の湯」2

後期展示に京都国立博物館蔵の建盞が出展されると知って、結局というかやっぱり、また「京に生きる文化~茶の湯」展に足を運んだ。これぞ禾目天目という作品にお会いしなくては。 建盞(南宋時代 12-13世紀) 黒地にたくさんの禾目が流れて見える。引き締ま…

京都国立博物館 特別展「京(みやこ)に生きる文化~茶の湯」

私は作品鑑賞にひどく時間がかかる。大きな展覧会で行列になって歩くと後ろの人に迷惑だ。しかも集中力がすぐ切れるから、丁寧に見て回ると、途中で気力が尽きる。 京都国立博物館で開かれている特別展「京(みやこ)に生きる文化~茶の湯」では作品リストを…

奈良国立博物館青銅器館(坂本コレクション)を訪ねる

お天気が良い。ちょっと遠出して、青銅器を見に行こう。これも見納め。 奈良国立博物館のあたりは、いつも賑やかだ。ぼうっとして歩いていると、ヒトかシカにぶつかるか、シカの落とし物を踏んづける。近鉄奈良駅からの一本道を歩くのは勇気が要る。正倉院展…

「大阪市立東洋陶磁美術館と中国文物展」日中国交正常化50周年記念講演会

休館中の東洋陶磁美術館が「日中国交正常化50周年記念講演会 大阪市立東洋陶磁美術館と中国文物展」をYouTubeで配信している。 その中で小林仁先生が「皇帝の磁器~新発見の景徳鎮官窯」という展覧会の図録について、やきものを学ぶ人の教科書だというよう…

和泉市久保惣記念美術館特別展「玉石の美~人びとを魅了した石の工芸」

美術館が用意した期間限定シャトルバスに乗せてもらって、3年ぶりに和泉市久保惣記念美術館を訪ねた。前回も「玉」をテーマにした展覧会だったな、広い敷地建物と見事なお庭、古代中国の石造棺床の展示に驚いた思いがある。このたびは、日本の勾玉も見られ…

湯木美術館「茶の湯の絵画と絵のある茶道具」

8月のお盆休みに、東洋陶磁美術館のオープンデータの画像を使わせてもらって、加彩婦女俑がプリントされたトートバッグをカメラのキタムラさんにお願いした。画像をアップするときは、tiffをjpegに変換するにはどうする、とか考えつつ、もうあの作品には会…

大和文華館「東アジアの動物~やきものと漆」その2

大和文華館のやきものと漆の作品が100点近く鑑賞できる「東アジアの動物」展 つづき 吉祥の動物①魚「白地黒花鯰文枕」(北宋~金時代 磁州窯)磁州窯の陶枕というのは、色んな図柄があるものだ。如意頭形の器面に鯰が飄々と泳いでいる。世の中をこんな風…

大和文華館「東アジアの動物~やきものと漆」

いっこも身につかないが、中国の歴史を文庫本で楽しんでいる。今朝読んでいた一節に元祐元年(1086年)に王安石が没したとあった。「元祐」ってあの磁州窯の盤(東洋陶磁美術館所蔵)に記されていた年号かなぁ。それが何だという話だけれど、自分的には数ミ…

中之島香雪美術館特別展「陶技始末河井寛次郎の陶芸」

中之島香雪美術館の特別展「陶技始末河井寛次郎の陶芸」を訪ねた。来場者が多い。 Ⅰ章の1節「中国陶磁への憧憬」では、中国の古陶磁研究から生まれたさまざまな窯様の作品が並び、面白かった。鈞窯風、龍泉窯風、磁州窯風、何でもできてしまうんだ! 古陶磁…

大和文華館「朝鮮美術の精華~絵画と工芸」

大和文華館のお庭はいつ行ってもその時期の趣が楽しめる。若くやわらかな緑と鶯の声?に、山里に来たように錯覚する。 「朝鮮美術の精華~絵画と工芸」この展覧会は絵画のほうがメインの展示かなと思う。絵画より工芸品の方が好きなので、どうしようかと思っ…

湯木美術館「金工の茶道具と釜の魅力」

金工ってどんなかな、とりあえず春季展行っておかなきゃ、と、軽い気持ちで湯木美術館を訪ねた。 作品から風格を感じるとはどういうことだろう。ケースの中で格調高く見えるように展示され、キャプションがあるから、素人にはなるほどそのように見える。そう…

大阪市立美術館「華風到来」展

年度末業務の泥沼にはまって、おぼれるところだった。 大阪市立美術館で「華風到来」展を楽しむ。お出迎えは「堆朱 牡丹文盆」明時代 15世紀 ややこってりめの華やかなデザインと、超絶技巧 中国文物のイメージにぴったりの作品だ。 古代から清時代までの中…

湯木美術館「慶賀と喜びの茶道具~春の風情を楽しむ」

春分の日、湯木美術館へ行った。春季展「慶賀と喜びの茶道具~春の風情を楽しむ」の最終日だった。間に合ってよかった。いつ訪ねても、こちらの来館客はすごく真剣に鑑賞する方ばかりだな。私も集中して拝見しよう。 ちょっとだけお茶道具に慣れてきただろう…

磁州窯系のやきもの~李秉昌博士記念公開講座を聞いて

イビョンチャン博士記念の講演会が3月5日、オンラインで開催された(第14回 李秉昌博士記念公開講座「高麗陶磁と磁州窯系陶磁」)。拝聴しながら、今まで出会った磁州窯系の作品を懐かしい人を思うように思い浮かべていた。 緑釉黒花牡丹文瓶(重要文化財…

大和文華館「東アジア文人の肖像」書画と文房具

年末から突発的にめまいが起こる。MOCO(東洋陶磁美術館)が長期休館にはいった。何かと気が滅入る…低空飛行だ。 大和文華館にもう一度行くつもりだったが、めまいのせいで行けなかった。もう次の展覧会が始まって梅も咲き始めているよ。心の栄養をもらいに…

大和文華館 特別企画展「日本のやきもの―縄文土器から近代京焼まで」

82点の作品によって、日本のやきものの歴史を大掴みに理解することができて、私にはありがたい展覧会だ。日本のやきものの「始まり」といわれる縄文土器から超絶技巧の大正時代の作品まで、会場を一回りするだけで一気に堪能できる。 「始まり」といっても決…

2022年正月

東洋陶磁美術館がしばらく休館になる。大事な場所に行けないのはちょっとつらい。 特別な展覧会がなくても、定期的に足を運んできた。好きなやきものを静かに眺めると気持ちが落ち着く。器の肌をじっと眺めて、そこに広がる世界に自分が埋没してゆく感覚が好…

中之島香雪美術館 企画展「中国の漆器」

なんだかくたびれて、休みの日に起きられない。耳鳴りとめまいがするよ。年だね。 ちょっとキラキラピカピカするものを見たら元気が出るかもしれない。肥後橋の中之島香雪美術館へ、「中国の漆器」企画展を訪ねる。 最初に「彫漆(ちょうしつ)」という漆器…

大和文華館 特別企画展「雪村とその時代」

ずっと以前に呂同賓図(りょどうひんず)と思われるポスターを見かけたことがある。その時私はよく確かめもせず劇画か漫画の一場面かと思ってしまった。衣を大きくはためかせ、のけぞるぐらいに天を仰ぐ男の姿。奇怪な絵だと思った。しかし、記憶に引っかか…

「加彩婦女俑」と「婦女形水注」

東洋陶磁美術館のコレクション展関連テーマ展示「加彩婦女俑に魅せられて」関連イベントとして動画が公開されている。動画を視聴すると、このたびの企画によって制作された作品と元の作品とを、もう一度比べて、確かめてみたくなる。 加彩婦女俑 唐時代 8世…

「加彩婦女俑に魅せられて」関連イベント 第1回

東洋陶磁美術館の「加彩婦女俑に魅せられて」の関連イベント1回目が動画公開された。:オープニングレクチャー「加彩婦女俑の美」小林仁(大阪市立東洋陶磁美術館学芸課長代理)、アーティストトーク 若宮 隆志(彦十蒔絵プロデューサー)、対談 若宮 隆志×…

大和文華館 特別展「天之美禄 酒の美術」

「加彩婦女俑に魅せられて」関連イベント の1回目の動画が公開された。小林仁先生のレクチャーも、彦十蒔絵プロデューサー若宮 隆志さんの見立作品制作をめぐるお話も、お二人の対談も非常に面白く、深い。繰り返して拝見できることもとてもありがたい。視…

東洋陶磁美術館 「加彩婦女俑に魅せられて」

東洋陶磁美術館で「コレクション展関連テーマ展示『加彩婦女俑に魅せられて』」という試みが始まっている。 唐時代の婦女俑がテーマか…私にとってはアイドル、中国陶磁の展示室を訪れる度に挨拶をしているよ。いつも展示台の上でゆったりと回っていて、その…